弊社が株主として企業価値向上のために蝶理に期待すること
1.資本の効率化のための大幅増配や自社株買いの実施
2.政策保有株式の売却
3.社外取締役を中心とした取締役会運営への移行

親子上場による弊害

蝶理が、資本効率を高めて株主価値を向上させる経営に舵を切らない理由として、コーポレートガバナンスの問題の存在が考えられます。

蝶理は東レ株式会社(以下「東レ」といいます。)の子会社です。東レは、2018年9月末現在では、蝶理の議決権の51.2%を保有する親会社であり、蝶理とは親子上場の関係です。
2019年3月7日に総理大臣官邸で開催された未来投資会議の参考資料において、「親子上場はガバナンスが効きにくく、子会社の少数株主が害される恐れがある」とされている通り、政府は親子上場のコーポレートガバナンスを問題視しています。また、同資料では以下のような投資家の意見が紹介されています。

  • ■少数株主の代表であるはずの社外取締役が取締役会に入っていて、何も投資家の話を聞いていな
  •  いとか、情報共有していないというのは、おかしいに決まっている。
  • ■上場子会社の株主として親会社に対話を求めても、子会社は独立しているので子会社と話してく
  •  れと断られる。結果として、上場子会社は経営者天国になっており、株価が割安で放置されてい
  •  たりする。


同会議において、安倍総理から、かかる状況について、「上場子会社のガバナンスの強化に向けた対応に関して、①新たな指針を早急に策定し、親会社に説明責任を求めるとともに、子会社側には、支配株主から独立性がある社外取締役の比率を高めるといった対応を促す。②東証の基準等についても対応を検討する。」とのご発言があったとのことです。これらの上場子会社のガバナンス改善は本年夏の成長戦略に入るとのことです。

(上記の未来投資会議資料へのリンク)

弊社は、政府の方針の背景として、2018年6月22日に開催された、経済産業省のコーポレートガバナンスシステム研究会の事務局説明資料における、
「当時の法制審議会の議論において、親会社取締役には資産としての子会社株式を管理する義務があるという見解に賛同する見解が多数出され、親会社取締役の子会社監督の職務が存在することについては、ほぼ解釈上の整理がされた。」
との指摘があると考えます。

(上記の経済産業省の事務局説明資料へのリンク)

上記の指摘について、蝶理の親子上場関係でいえば、東レの取締役には子会社である蝶理の監督をするとともに、東レの資産である蝶理株式の価値を高める責任があるということです。
この親会社取締役の責任は、子会社に投資している機関投資家のスチュワードシップ責任と重なるものでもあります。
したがって、親会社取締役は、子会社株主の機関投資家とも積極的に対話を行うことにより、子会社監督の職務がより適切に果たせることになるはずです。

以上の考え方に基づき、弊社は、2019年3月、蝶理を担当する東レの取締役に対し、蝶理経由で意見交換を打診しましたが、拒否されました。

このように子会社(蝶理)のガバナンスに対する責任を自覚しない親会社(東レ)によって、子会社の少数株主の声が経営に反映されないということは、正に政府が問題視している、親子上場の弊害と言えるでしょう。

  • 株式会社ストラテジックキャピタル
 
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